交通事故を起こした時の責任 交通事故を起こした当事者が負う責任 一般的に交通事故を起こした当事者には以下の3つの責任が問われます。 1. 刑事上の責任(懲役・禁固・罰金) 過失により交通事故を起こし、人を死傷させた場合、業務上過失致死傷罪(刑法211条)に問われ責任の度合いによって処罰されます。 無免許運転や飲酒運転等の場合には道路交通法の責任が問われます。 また、交通違反のうち比較的軽いものは反則金を納付すれば刑事裁判や家庭裁判所の審判を受けないで処理されます(交通反則通告制度)。 なお、この場合でも反則金を納付せず、通告を受けてもなお未納付の場合には、刑事手続きにより処罰されることになります。 2. 行政上の責任(免許の取消、停止) 交通事故や交通違反をした場合には、一定の点数をつけ、その合計点数により免許の取消しや停止が行われます。 行政処分は刑罰ではありませんが、刑事罰同様にかなり厳しい制裁処分です。 免許取消し・停止の処分は公安委員会が行政機関として行政上の目的から行うもので、国が刑罰権の行使として問う刑事上の責任とは性質が異なります。 3. 民事上の責任(損害賠償) 被害者に対する民事上の損害賠償責任のことで、自賠責保険・自動車保険はこの損害を肩代わりします。 被害者の人身損害のほか、車両の修理費などの物損が対象です。 人身損害は、死亡した場合の葬儀費、傷害の場合は治療費、被害者が事故にあわなかったら得られたであろう利益(逸失利益)、慰謝料などから成ります。 ■損害賠償に関する被害者との交渉 自動車保険(任意保険)に加入していれば保険会社が示談交渉にあたってくれます。 過失相殺の適用 交通事故は加害者だけの不注意で発生する場合だけでなく、被害者にも過失がある場合が多くあります。 道路状況、法令遵守状況、相手が歩行者か、事故を予防する行動をしたか、などの諸要素を勘案して被害者・加害者双方の過失割合が判断されます。 損害の公平な負担という見地から、被害者の被った損害額から、被害者の過失の程度によって一定の割合が減額されることを過失相殺といいます。 ■過失割合 基本的には過去に起こった事故交通事故などの多数の民事判例に基づいた認定基準を参考にして決められます。