平成27年度 日本代協臨時総会 岡部会長 挨拶


2017.3.4

1.はじめに
   皆さま、おはようございます。
本日は臨時総会にご出席いただき、誠にありがとうございます。日頃は全国各地で代協活動を展開していただき、改めて御礼申し上げます。直近ではコンサルティングコース受講勧奨について、目標の840名を大幅に上回る1,458名の方にお申込みをいただき目標達成することができました。重ねてお礼申し上げます。

  5年前の3月11日、臨時総会の午後、マグニチュード9.0、日本の観測史上最大規模の「東北地方太平洋沖地震」が発生しました。あの東日本大震災から5年が過ぎようとしていますが、日常を取り戻すことができている人も多い反面、今だ困難な状況の中、町やコミュニティーの復興への長い道のりを覚悟しながらも、必死に頑張っている方がたくさんおられます。こうした状況下で日々業務をされておられる被災地の会員様のご協力を得て、昨年の8月に「東日本大震災による損害保険代理店経営への影響に関する調査報告書」を作成し、震災から4年後の現状を金融庁はじめ損保協会、保険会社、関係団体等と広く共有させていただきました。今後の支援方法や保険代理業に限らず広く業界の発展のために活用してまいります。
  地震災害をはじめニューノーマルがもたらす災害対策には、先ずは日々の業務においてお客様のリスクをしっかりと把握し、リスクに見合った保険をおすすめすることが肝要であり、これこそが代理店の役目です。そして、お客様と面談する際には、損保協会が作成している事故防止、防災・減災等に関するチラシや地方自治体作成のハザードマップをお渡しする等の防災・減災に役立つ情報提供を継続的に行い、今そこにある危機を認識してもらい、事故や災害を未然に防ぎ、被害に遭った際には最小限にとどめる努力が重要だと考えています。こうした「本業+ほんの少しの情報上乗せ活動」の地道な取り組みが社会貢献になり、地域社会においてリスクの専門家として関わり方ができるようになれば、地域における代理店の価値は大きく高まると思います。

2.環境認識
  さて、日本経済は各種政策の効果もあり、ゆるやかな回復基調にありますが、地域経済や中小企業が活性するまでには及んでいません。損保各社においては自助努力と度重なる保険料値上げ効果等により収益が改善され、若干ではありますが一部の商品においてやっと保険料引き下げが実施されるようになりました。しかし、お客様からは依然として厳しいお声をいただいており、日本代協としては消費者の声の代弁者として引き続き、保険会社や関係機関にお客様の生の声を届け、共通のベクトルを持って課題を改善できる環境を創っていきたいと考えます。保険マーケットにおいては、既存の募集チャネルに加えてニトリやNTTドコモ等による異業種からの参入もあり、ますます競争が激化します。併せて、長期的にみれば人口減少、高齢者増はじめ自動車自動運転、AI、IoT等のイノベーションにより大きく環境が変わろうとしています。そうした競争や環境変化に対応していくためには、例えば、エリアや業種を絞り込んで特化したり、他にはない独自能力・サービスを構築する等の不断の努力が必要になります。そして何よりも「今」やらなければならないことは、厳しい環境下でも成長できるために、お客様への親身な対応力を失うことなく、一人当たりの生産性を高める組織体制・仕組み作りをすることだと思います。

3.改正保険業法に対する取り組み
 こうした認識の下、目前の改正保険業法対応も大きな課題となってきます。すべての募集人と代理店に義務を課していく訳ですが、先ずは法が求めるのはあくまでもミニマムであり、最低条件に過ぎないことを認識することが必要です。次いで注意する事項としては、適正な比較・推奨販売の実施に向けた取り組み、経営・募集両面の管理における内部監査等の態勢整備、そして改善向けた取り組みです。特に、改善については苦情がないこと自体があり得ないとの認識がありますから、お客様の声と正面から向き合い、検証・改善を繰り返し、お客様が求めるサービスをより向上させ、代理店ビジネスモデルの革新を図ることが重要なポイントになります。日本代協では、会員の皆様がこうしたハードルを一つひとつ乗り越えるために既にアドバイザーにご就任いただいた日本創倫様と連携し「体制整備の豆知識」を配信する取り組みをすすめています。また、栗山アドバイザーと野元専務の名コンビによる改正保険業法施行の進捗に合わせたセミナーも好評をいただいています。会員の皆様には是非ともお聴きいただきたい内容ですから、開催希望があれば事務局までご相談下さい。改正保険業法対応に関わる情報は、今後も随時発信してまいりますので、各代協会長様におかれましては、全会員に行きわたるよう今一度情報伝達の精度を高めていただきたく、お願い申し上げます。

4.日本代協の主な取り組み
  こうした取り組みをすすめるとともに日本代協としては、引き続き3つの取り組みを事業の柱に据えて活動を展開してまいります。
 1点目は、損害保険大学課程です。損保協会様が認定主体となり、日本代協が指定教育機関として運営する損保業界共通の募集人教育制度である本課程の、特に損害保険トータルプランナー資格は、「募集人資格の最高峰」であるとともに改正保険業法で求められる体制整備における教育・指導・管理を実践するうえにおいても最適な制度ですから、ここにチャレンジせずして保険募集のプロを名乗ることはできないと思います。本制度で培った能力をお客様対応の場面で発揮しながら、業界の信頼を高めたていきたいと考えます。
2点目は、社会貢献活動です。代協組織としては損保協会様とも連携しながら事故防止や防災・減災に資する活動等を展開し、地域社会におけるリスクアドバイザーとしてお役に立てるよう取り組みます。併せて、清掃や植林活動等を通して地球環境保護活動にも積極的に取り組みをすすめてまいります。
 3点目は、代理店賠責「日本代協新プラン」の周知と加入促進です。お客様の満足を得るには高い次元の仕事が求められます。例えて言うならば、氷山の尾根を歩くような緊張感が必要な仕事ですが、万が一、尾根から落ちた時のプロテクターの役割をするのがこの保険です。代理店にとって極めて重要な備えなのですが、残念ながらまだまだ周知されていない現状があります。本プランは日本代協の一番の会員サービスと言っても過言ではありません。セミナー開催や説明会を通して広く未加入代理店に声かけし、周知と加入拡大を図ってまいります。


5.特に強化したい取り組み
  引き続いて、日本代協内部の最大の組織課題である会員増強と国民年金基金について申し上げます。
   先ず、会員増強については今さら言うまでもありませんが、業界団体として一定の基盤を確保することは極めて重要であることは、皆様と共通の認識だと思います。
   お蔭様で、2月のキャンペーンの熱心なお取組みにより、長年の悲願となっていた12,000会員を達成できました。各代協のお取り組みに心から感謝申し上げます。但し、本年度目標は12,500店です。残り1ヵ月弱となりましたが、先ずは各代協の自主目標を達成されて、全体の目標達成につなげていただきたく、最後までどうぞよろしくお願いいたします。
   プロとして志を高く持ち、消費者から信頼を得て、業界の信頼を高めたいと思う代理店はチャネルを問わず全国にたくさんおられると思います。そういう方たちを数多く会員に迎え入れ、より高いお客様サービスができる代理店を目指す団体になりたいと考えますので、何卒宜しくお願いいたします。
   2点目の国民年金基金については、大苦戦しております。我が国の国民年金加入者にとって最も優れた年金制度であることはご承知のとおりです。皆様もご自身の年金定期便をご覧になってホッとされるように、この業界で働く全ての人たちが豊かな老後を楽しめるために是非、周囲の該当者の方に制度の魅力をお伝えいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


6.おわりに
 話は変わりますが、募集人の義務を実践してみて改めて気付いたことをお話しします。法が求めているのは、お客様との丁寧な対話です。お客様の意向をただ聞いて提案することではありません。お客様の意向をしっかりとお聴きし、それに応じた情報提供を行う、このキャッチボールを繰り返すことでコミュニケーションを高め、お客様を取り巻くリスクの総体とお客様の人生を可視化する作業だと思います。これが正にコンサルティングの基本であり、お客様が気付かないリスクを洗い出し、一人ひとりの状況に応じた対応策を提案する、こうした意向把握や情報提供の先にある助言能力を引き上げることが鍵だと感じています。証跡の保存というのは、その対話を時間軸に沿って記録に残すことだと思います。体制整備については、専属でいくのか乗合でいくのか、乗合の場合は比較説明・推奨販売するか否かで大きく変わりますので、今後も皆さんと実践に基づく意見交換をしていきたいと思っています。
   最後になりますが、各代協のますますのご発展と皆様方のご健勝を祈念しまして、臨時総会のご挨拶とさせていただきます。
 この後の付議事項のご審議等、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。

以上