年頭所感    会長 岡部 繁樹 

2013.1.7

年 頭 所 感

              会長  岡部 繁樹

   あけましておめでとうございます。
  年頭に当たり、今年一年が事故や災害のない平和で穏やかな年になりますよう祈念いたします。

1.新年にあたり思うこと
  東日本大震災から1年10か月が経ちましたが、今なお復興の足取りは遅く、日本経済も復調の兆しは見えません。損保業界を巡る収益環境も依然として厳しい状況が続いています。
  保険会社も厳しいでしょうけれど代理店はもっと厳しい環境に置かれています。思わず外部環境を嘆きたいところですが、原因を外に求めていたのでは創造力は欠如し、努力は忘れられ、知恵も汗も出なくなって衰退してしまいます。
  どんな環境にあっても生き残っていくしかないのですから、過去を正確に理解し、現状を冷静に認識した上で、前を向いて進んでいくしかありません。
  プロの自覚のもとに、自社の経営のあり方を必死になって考え、直ちに行動に移し、前例に拘らずにチャレンジしながら、成果につなげていくことが何よりも重要であると考えます。併せて、業界全体の健全な発展のために力を尽くすことが必要です。
  私自身も先頭に立ち、代協に集う仲間とともに、歩みを止めることなく努力し続ける一年にしたいと改めて決意しています。
 
2.日本代協の取り組み
  こうした認識の下で、日本代協としては、本年も次の3つの取り組みを主要な「日本代協ブランド」と位置付け、具体的な活動を展開してまいります。
(1)損害保険大学課程
  損保協会との全面的連携のもとで昨年7月にスタートした「損害保険大学課程」は、「顧客対応力の高い代理店・募集人の育成」を目指す損保業界共通の資格認定制度です。本年4月からいよいよ「コンサルティングコース」が始まりますが、一人でも多くの募集人が能動的に受講し、資質向上を図ることを大いに期待しています。
(2)社会貢献活動
  「地域におけるリスクの専門家」として地域社会のお役に立てる代理店となれば、その価値は大きく高まります。損保協会とも連携しながら、地球環境保護活動と併せて、防災・減災に資する活動を全国各地で具体的に展開します。
(3)代理店賠責「日本代協新プラン」
  代理店賠責は万一の場合に備える代理店経営の「プロテクター」です。消費者に保険の活用をアドバイスする代理店が、自らの仕事には保険を手配しないことなどあり得ません。全代理店が代理店賠責によるプロテクターを備えることは、業界としての社会的な責務でもあると考えます。中途加入も可能ですので、広く呼び掛けていきたいと思います。
 
  その他、損保協会が昨年度から進めている「共通化・標準化の取り組み」は、時宜を得た重要な取り組みであることから、日本代協としても引き続き積極的に参画していく所存です。
  併せて、損保協会とは従来以上に意思疎通を密に図り、業界全体が消費者の信頼に支えられながら持続的に発展していくことができるよう、より一層連携を深めながら取り組みを進めてまいります。

3.「小は大を超える」の教え
  さて、昨年のコンベンションでは、静岡県立大学の岩ア邦彦先生の基調講演で、21世紀のトレンドは、「全国から地域」へ、「総合から専門」へ、「量から質」へ、「画一性から個性」へ、「無難から本物」へ、「効率性から感性」へ向かっていること、また、そうした環境の中では「小規模がチカラになりえる」ことを知り、地域で生きる代理店として大いに勇気と元気をもらいました。
  同時に、時代の追い風を現実の力に変えていくためには、プロと認められるだけの「ほんもの力」「きずな力」「コミュニケーション力」の3つのチカラを高め、相乗効果を生み出すことが重要であることを学びました。後は行動あるのみです。
  目指す方向に羅針盤を合せ、自分の責任で装備を整え、前に進むことが必要であり、それはやればできることだと考えています。
  皆さんと共に、「あんな代理店になりたい」「あんな経営者になりたい」と言われる存在を目指して、自社の経営においても着実に歩みを進める一年にしたいと思います。

4.最後に〜「江戸しぐさ」の心
  最近は、上京の折に江戸の歴史散策を楽しんでいます。江戸には「傘かしげ」(すれ違う時に濡れないようお互いの傘を外に傾ける)や「肩ひき」(路地で肩と肩がぶつからないように肩を引いて胸と胸を合せてすれ違う)、「こぶし腰浮かせ」(後から船に乗る人のためにこぶし一つ分浮かせて席を作る)や「時泥棒」(断りなく押しかけ、相手の時間を勝手に使うことへの戒め)などに代表される「江戸しぐさ」という作法がありました。ただ単に作法やマナーを説くだけではなく、「相手のことを思いやる」人としての生き方を説いたものだったと言われています。
  とかく自分中心になりがちな時代ですが、東日本大震災を経験した今こそ「江戸しぐさ」を大事にした古の人たちに思いを馳せて、社会全体で「思いやり」の心を育んでいくことが何よりも求められているように思います。
  代理店という仕事は、「人のために働く」ことを通して「人から必要とされる」素晴らしい職業であり、そのベースは「相手を思いやる心」で形作られています。
  厳しい時代環境ですが、こういう時こそ原点回帰です。夢と信念と思いやりの心を持ち、切磋琢磨しながら活力溢れる業界を創っていきましょう。           

以上