第9回 日本代協コンベンション 式典 金子会長 開会挨拶

2019.11.05

 みなさん、こんにちは。 金子でございます。
本日は、第9回日本代協コンベンションにご来場くださいまして、誠に有り難うございます。
日頃は全国各地で、「仲間作りの推進」とともに、「損害保険トータルプランナーの育成」や「代理店賠責の普及」、「地震保険の啓発」や「ぼうさい探検隊のマップ作成支援」など、幅広い活動を展開いただき、心から感謝申し上げます。
また、ご来賓の金融庁 監督局 保険課長 の 横尾 光輔(よこお こうすけ)様、日本損害保険協会 専務理事 の岩崎 賢二(いわさき けんじ)様には、ご多忙の中、ご臨席を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、この度の台風15号、19号、そして先日の大雨では、多くの方が尊い命を奪われ、各地に甚大(じんだい)な被害が生じました。
お亡くなりになられた方に衷心(ちゅうしん)よりお悔やみ申し上げますとともに、被災された皆さまには心からお見舞い申し上げます。
また、厳しい環境の中で、保険金を早期にお届けするため、被災契約者の対応に尽力されている代協会員の皆さまに深く敬意を表します。
現地からは、通常の風水災被害への対応の他、今回は水没した多くの車両の対応に非常に大きなロードを要しているとの情報も入っております。 本当にご苦労様です。

近年、世界的規模で自然災害が猛威を振るっており、特に我が国では風水災のリスクが極めて大きくなっています。住宅の水災補償は2013年度契約から特約方式になって脱着が可能になり、リスクに応じた補償内容にできるようになったことはご認識の通りです。
一方で、大きな災害が起こると、この特約を付帯していなかった契約者から、「水災による被害は保険が出ないと言われたが、そんな話は契約時に聞いていない」、といった苦情が寄せられていることも事実です。お客さまのリスクとは関係なく、保険料を引き下げるためだけに特約を外して案内するケースがあるとすれば問題です。

地域で生きる代理店は、その地域のことをよく知っているはずであり、ハザードマップを読み解き、リスクの実態に応じた保険手配をお勧めすることは代理店の責務であると思います。
会員の皆さまにおかれましては、自社の付帯率の実態を改めて把握いただくとともに、他の会員の皆さまにも一層の注意喚起をお願いいたします。
言うまでもありませんが、付帯の可否は、最終的にはお客さまが決めることであります。従って、地震補償などとともに、後々(のちのち)トラブルになりやすい特約方式の災害リスクについては、特に意識して意向把握と確認を行い、交渉履歴をしっかりと残していただくことが必要になりますのでご注意ください。
併せまして、被災者の方の苦しい状況を見るにつけ、最後の砦としての保険の重要性は勿論ですが、事故や災害を回避し、被害を最小限にとどめる防災・減災の取り組みが、地域のリスクマネージャーとしての代理店の価値を高める重要な責務になっていることを痛感します。
ハザードマップの解説や災害発生時の対応、平時の事前準備などの具体的なアドバイスを通し、地域密着の代理店の価値を発揮できるよう、日本代協といたしましても、会員の皆さまをサポートしていく所存でございます。

さて、今後我が国は、人口減少や高齢者の急激な増加とともにデジタル技術が加速度的に進化し、それに伴って消費者の意識や行動も変化する未経験の時代を迎えます。しかも変化は連続せず、非連続で起こるなどと言われると、どうしていいかわからず、漠然とした不安を感じておられる代理店の方も多いと思います。
答えが見えないので不安になるのは当然ですが、私は代理店の将来に対し、決して悲観的にはなっていません。140年に及ぶ歴史を通し、私たち代理店は様々な環境変化を乗り越えて、日本の企業を、そして人々を、身近なところで支えてきました。被災地で奮闘する代理店の姿はその一つの現れです。
結果的に、自由化以降20年以上経つ現在においても、損害保険料の91.4%は代理店扱であり、この数字には大きな重みがあると思います。
ただ、環境が劇的に変わりますので、顧客本位の実現に向けた努力を怠ればすぐに淘汰される時代になったことは明らかです。
だからこそ、これからもその価値を発揮できるように、時代の変化にしなやかに適応し、どうすればこの変化の時代を生き抜いていけるのか、どんな時代であってもお客さまに必要不可欠な存在と認めていただくためには何が必要なのか、日々考えながら組織と人の品質を磨き続けることが進むべき唯一の道であると考えます。

こうした代理店の思いを下支えするため、日本代協独自の新たな教育システムとして「日本代協アカデミー」を構築し、10月1日から本格展開を開始いたしました。
今後、順次カリキュラムの充実に取り組み、経営者のマネジメント力向上、募集人の資質向上、そして成長戦略構築のために、様々な教育コンテンツや最新情報の提供に努めますので、全ての代協会員にご活用いただきたく、強くお願い申し上げます。

以上、ポイントだけお話しいたしましたが、こうした今後の代理店のあり方に関する様々な思いを込めて、今年のコンベンションのテーマを、「時代の変化に対応し、持続可能な代理店経営を考える」といたしました。
二日間にわたるプログラムを通し、何か一つでも皆さまの参考になれば幸いです。

私のモットーは「明るく、楽しく、元気よく!」、「仕事は本気で誠実に!」です。
全国の皆さまとの対話を大事にしながら、ともに知恵を絞り、汗を流して、変化にチャレンジし、若い人たちがここで働きたいと思ってくれるような活き活きとした業界をつくってまいりたいと思います。

最後になりますが、ご出席の皆様のご健勝並びに各都道府県代協のますますのご発展を祈念し、また日本代協の活動へのより一層のご理解とご支援をお願い申し上げまして、開会のご挨拶とさせていただきます。

どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

以上

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