小田島会長 年頭のご挨拶(年頭所感)

2023.01.05

年頭所感

会長 小田島 綾子

あけましておめでとうございます。
2023年を迎えるにあたり、所感を申し述べ、新年のご挨拶に代えさせていただきます。
はじめに、昨年は3年ぶりに日本代協コンベンションの実開催が叶い、全国からお集まりいただいた皆様のお顔を拝見し、大きな活力となりました。本当にありがとうございました。

環境変化と代理店の存在意義

長く続く新型コロナウィルス禍に、昨年のウクライナ侵攻、そして為替変動、物価高など私たちを取り巻く環境、経済状況は大きく動き続けています。そして、近年の環境や社会に配慮したサステナビリティーな世界への関心の高まりも見逃せず、いかなる業種も、ますます変化に対応した経営、事業運営が必要なことは間違いありません。
一方、このような時代になればなるほど、新たに出現するリスクからお客様をお守りするのが、私たち保険代理店の使命です。お客様が直面する危険は変化しており、形の有るものから、目に見えない財産、利益、権利など幅が広くなりました。よって保険代理店は、単に保険商品を売るのではなく、リスクマネジメントの観点が、個人、法人を問わずお客様に対して求められ、個別化した消費者ニーズに対応した提案ができるよう、募集人としての知識の拡充や体制整備が必要です。
また防災や減災の一環でもある、お客様が事故に巻き込まれないようなサポートツールの案内、万一、危険に遭遇しても早期復旧できるよう支援策を提案することも、大切な役割となりました。
このように私たちの活躍の場は広がり、存在意義は、これから一層高まるのではないでしょうか。保険代理店にとってはチャンスが到来している時(とき)と言えるのかもしれません。

施策の目的や意義を理解する重要性

ご存じの通り、代協は、「損害保険の普及と保険契約者及び一般消費者の利益保護を図るため、損害保険代理店の資質を高め、その業務の適正な運営を確保し、損害保険事業の健全な発展に寄与するとともに、幅広く社会に貢献するための活動を行うこと」を目的としています。
日本代協では、最も重要な『資質向上を図るため』に、損保協会が運営する、経験や知識を積んだ、コミュニケーション能力の高い損害保険トータルプランナーをより多く輩出すること、そしてオンラインを使い継続学習することで、知識と業界最新動向の両面からの情報収集が常に可能となる日本代協アカデミーの推進を図っています。また、自社の価値を向上させるとともに、お客様への価値提供力向上にもつながる事業継続力強化計画認定や社労士診断認証制度、さらにリスクマネジメント講座、後継者育成のための「代理店経営未来塾」などを展開しています。
そして、ぼうさい探検隊を始めとしたCSR活動、防災・減災の取り組みも、代協が得意とするところです。
各代協が競う3冠王の項目に含まれている施策もありますが、数値目標達成がゴールではなく、各会員が取り組みにより研鑽を重ね、お客様への価値提供力の向上を実現していくことが大切であることは、皆様ご理解いただいている通りです。この目的や意義を繰り返し確認しながら、進めて参ります。

顧客本位の業務運営に向けて

さて、損害保険業界において、お客様と接点を持つのは多くの場合、代理店です。地域に根ざしてお客様に寄り添う私たちは、顧客本位の業務運営と言われるずっと以前から、お客様本位の取り組みを続けて参りました。
昨年9月、金融庁からリリースされた2022年保険モニタリングレポートの中には、「顧客本位の業務運営をさらに推進する観点から、財務局と緊密に連携して、損害保険会社と代理店の双方との対話を実施し、」といった記載があります。意味合いを考えますと、代理店の業務品質管理についても高度化が求められ、保険商品の説明に加え自然災害に対するアドバイス、公的保険の情報提供など、更なる資質向上に力を入れるばかりでなく、コロナ禍を転機にデジタル化を進めながら、業務プロセスの効率化を図る、労働環境をさらに整備していくなど、今まで以上に「自立と自律」も必要です。バックオフィス機能や、コールセンターなどで仕事に携わる若いスタッフさん、女性の力も見逃せません。そのような方々の活躍の場を広げながら、保険業界の職業魅力も伝えていきたいところです。

保険会社との連携、金融庁との対話

もちろん、保険会社との連携も一層重要になります。代理店と保険会社、それぞれが目指す方向性に大きな差はないと考えますが、メーカーと販社という立場の違いもあり、様々なコミュニケーションギャップがいまだに生じていることも事実です。
こうした課題解決のために、日本代協では2007年度から「活力ある代理店制度等研究会」、通称「活力研」を開催し、保険会社との間で冷静で心ある対話を継続してきています。
また2021年度より、金融庁監督局保険課長と全国47都道府県の代協会長との意見交換の場において、地域で頑張る代理店が、お客様に対してどのような価値を提供しているか、また募集現場における課題や悩みを、行政当局に直接伝える機会を設けています。
今後もこのような取り組みを継続し、様々な課題解決に繋げていきたいと存じます。

最後に

新しい年の干支は卯(うさぎ)です。その姿から「飛躍」、「向上」を象徴し、チャレンジには最適な年ともいわれています。激変の時代、うさぎのように高く、大きく「耳を立てて」情報収集を行いながら、柔軟な姿勢で、集い、語らい、高めあい、代協の仲間と共に、突き進んでまいりましょう。
2023年、会員の皆様にとって大いなる飛躍の年となりますよう、そして皆様、社員の方々とご家族様にとって健やかな年になりますことを祈念しております。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

以上

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