平成29年度 日本代協通常総会 岡部会長 挨拶

2017.6.16

1.はじめに
  皆さま、おはようございます。
  本日は通常総会にご出席いただき、誠にありがとうございます。また日頃は全国各地で代協活動を展開していただき、改めて御礼申し上げます。
  既に第一四半期が終わろうとしていますが、先ずは昨年度一年間を通して代協活動にご尽力いただきましたことに厚く御礼を申し上げます。
  中でも重点施策であります三冠王については、大きな震災に遭いながらもトップでゴールインされた熊本をはじめ山梨、京都、奈良が3年連続、続いて徳島、滋賀も奮闘され6代協が見事に達成され、全国をリードいただきました。
  特に、コンサルティングコースの受講勧奨につきましては、全代協が目標を達成され過去最高の1,759名の方に受講いただくことになりました。
  会員増強につきましては、13年連続達成の福岡をはじめ、17代協が目標達成されるとともに42店の増店という多大な成果を上げられた静岡の功績が相まって全体でも5年連続の増店となり12,215会員となりました。これに伴い組織率も、5年前は60%超が岡山、和歌山の2代協のみで全国平均組織率も36.3%であったのが、昨年度末においては71.4%の香川をはじめ8代協が60%を超え、全国平均組織率も42.4%に上がって中期的な目標である50%に近づいてきました。
  社会貢献活動につきましても、本業に直結する地震保険の普及や無保険車追放キャンペーンはじめ幅広い分野にわたる活動を展開いただきましたが、これらは地域に根ざす代理店だからこそできる活動であり、地域社会におけるリスクの専門家として着実に信認度が高まっていると思います。各代協の熱意あるお取り組みに改めて深く敬意を表します。有り難うございます。



 2.環境認識
  さて、日本経済は好調な輸出が下支えとなり緩やかに回復していますが、東京一極集中の中で地方経済は苦戦を強いられているのが実状だと思います。
  金融業界においては、人口減少に伴う社会構造の変化やマイナス金利政策等の影響により、地方経済の減速や国民の資産形成の停滞が懸念されており、こうした目前の危機を回避するためには、担保に依存しない事業の将来性の評価に基づく融資や投資による安定的な資産形成を促すための環境整備が必要となり、金融庁の大号令の下で銀行を中心に金融機関の改革が急ピッチですすめられています。
  損保業界においては、主力の自動車保険において、自動ブレーキ等の安全装置搭載車の普及により実に14年ぶりに保険料が引き下げられることになり、保険料に対するお客さまからの厳しい声は一息つきそうです。今後の自動車保険を取り巻く環境については、先進安全自動車(ASV)や次世代交通システム(ITS)等の車自体の変革により事故や渋滞の大幅な緩和による快適なモビリティー社会の実現、IoTの進展による高度なサービスの出現、カーシェアやテレマティクス等による利用形態の多様化等により、保険料自体も低減していくものと思われます。お客さまにとっては望ましいことですが、代理店にとっては経営に直結する大きな課題になります。自動車保険単品に過度に依存したままではいずれ行き詰ってしまいますので、今の内にお客さまのリスク全体を視野に入れた取り組みを進め、契約構造の転換を図りながら拡大していく道を進む必要があります。生保販売については、コンサルティング手法を主とする既存チャネルに加えて資本も要員も潤沢な異業種が次々に参入してきており、ますます競争が激化します。
  お客さまからすれば損保も生保も垣根がなく、「保険」というカテゴリでしかありませんから、幅広く情報に敏感になるとともに公的保険制度等はじめ保険販売に関連する周辺知識も高めることが求められます。また国の方針においては、経済発展を支える投資資金が円滑に供給されるよう「貯蓄から投資へ」の流れを加速させていますから、例えば身近なところではiDeCoやNISAのトレンド等に関する情報を深めたうえで、「何がお客さまのためになるか」を全社員で考え抜き行動に移す必要があります。
  代理店を取り巻く環境はますます多様化・高度化し、人間関係だけでは保険契約は成り立たない時代に移り変わっていることを強く認識し、プロとしての専門性を強化することが重要になっていることを強く感じています。



 3.顧客本位の業務運営に対する取り組み
  こうした環境の下、お客さまから選ばれ続け、持続的に成長するには、代理店自ら創意工夫を重ね、ベストプラクティスを目指してお客さま本位の良質なサービスを提供していくことが必要です。
  具体的に申し上げますと、先ず@企業倫理を踏まえた経営理念やビジョンを内外に示し、次いでAお客さま視点かつ他代理店よりも優位性をもつ戦略を立て、B自ら学習する組織を作り、Cプロセス重視の募集をする、そしてD収益、人材、満足度、リピート、紹介等の成果につながる「循環する仕組み」を作ることが大事です。一朝一夕には実現しませんが、そうした取り組みを実践して成果を出している代協会員も現実におられる訳ですから、できないことはないと思います。
  先ずは、目の前で起きている問題やお客さまの声を正面から受け止め、真の原因を追及し、解決策を考え、改善を積み重ねる等、形式的ではなく実態に基づいたPDCAをしっかりと回すこと、そして改正保険業法対応は最低基準だということを肝に銘じて、お客さま本位の業務運営に取り組んでいきましょう!



 4.働き方改革
  さて、今後の代理店のあり方を考えるにあたって、もう一つ重要な要素になるのが社員重視の経営です。現在、国が先頭に立って働き方・休み方改革を推進していますが、社員は会社の宝ですし、一人ひとりの人生に関わることですから当然なことです。この仕事に就いたときは24時間365日を売りにしていた方も多いかと思います。事故は時を選びませんし、生保販売は平日の18時以降、土曜・日曜・祝日に集中するケースが多いですから長時間労働になりかねず悩ましいところです。
  私はこうした課題解決に当たっては、勤務時間や休暇日数、給与等の規程上の「満足」に対する工夫は勿論大切ですが、それ以上に社員自身が人の為に働くことを通して成長する喜びややりがい等の「幸せ」を感じてもらえる環境をつくることが重要だと思います。目先の利益に捉われて性急に成果だけを求めるのではなく、絶えず社員の20年後・30年後の人生を考えながら、社員一人ひとりの持ち味に応じた育成に取り組み、働き甲斐のある、将来に夢が持てる会社を作っていくことは経営者の務めだと思います。経営品質の柱は従業員重視であることを再確認し、一店でも多くの代協会員の皆さまがこうした代理店となって発展されることをご期待申し上げます。



5.日本代協の主な取り組み
  こうして時代は新たなフェーズに入っていく訳ですが、日本代協としては、引き続き3つの取り組みを事業の柱に据えて活動を展開してまいります。
 1点目は、損害保険大学課程です。特にトータルプランナーの称号は「募集人資格の最高峰」であり、お客さまにとって募集人の品質を見極める最初の手掛かりとなります。本制度で培った能力をお客様対応の場面で発揮し、業界の信頼を高めていきたいと考えます。
  2点目は、本業を通した社会貢献活動です。損保協会や各保険会社とも連携しながら事故防止や防災・減災に資する活動等を展開し、地域社会におけるリスクアドバイザーとしてお役に立てるよう取り組みます。
 3点目は、代理店賠責「日本代協新プラン」の周知と加入促進です。代理店業務が複雑化・煩雑化するに従い「ついうっかり…」がいつ起きるとも限りません。そうした万一の時のプロテクターの役割をするのがこの保険です。代理店にとって極めて重要な備えなのですが、残念ながらまだまだ周知されていません。本プランは日本代協の一番の会員サービスと言っても過言ではありません。セミナー開催を通して広く未加入代理店に声かけし、周知と加入拡大を図ってまいります。



6.特に強化したい取り組み
  引き続いて、いつも繰り返しになりますが、日本代協内部の最大の組織課題である会員増強と国民年金基金の加入者募集について申し上げます。
  1点目の会員増強については、今さら言うまでもありませんが、業界団体として一定の基盤を確保することは極めて重要であることは、皆さまと共通の認識だと思います。プロとしての志を高く持ち、消費者から信頼を得て、業界の信頼を高めたいと思う代理店はチャネルを問わず全国にたくさんおられると思います。そういう方たちを数多く会員に迎え入れ、より良いお客さまサービスができる代理店を目指す業界団体になりたいと考えますので、よろしくお願いいたします。
  2点目の国民年金基金の加入者募集については、一人でも多くの代協の仲間の方に豊かな老後をお届けするため、引き続き積極的に取り組みを進めます。私自身も今年から一部の年金を受給するようになり、改めて、自身の将来にわたる生活資金が確保できるからこそ人を思いやる代理店という仕事をすることができるし、人のために一所懸命になれるんだと実感しています。平成31年4月に設立予定の全国基金への円滑な合流を実現するためにも引き続きのお取り組みをお願いいたします。


 7.おわりに
    話は変わりますが、昨日の理事会において、私は本総会終了を持って会長並びに理事を退任することが承認されましたのでご報告申し上げます。理由は、在任期間が規定上の上限である6年になったことによるものです。後任の会長には現副会長の金子智明氏が就任することが決議されましたが、この後の全国会長懇談会が会長任期のスタートとなりますので、改めてその場でご挨拶をさせていただく予定です。
  就任以来、後ろを振り返る余裕もなく日本代協の信認度向上に向かって精一杯走ってきました。その中で、何よりも思いを同じくする皆さまと出会い、一緒に代協活動ができましたことが一番の喜びであり、また光栄なことだと思っています。
 退任にあたり何か一つでも参考になればと思い、(当たり前のことばかりですが)この6年間で私なりに学んだことや思い等を手短にお伝えしたいと思います。
  【会長になって自身が成長したと感じること】ですが、課題や問題等にぶつかったときは、その背景・経緯を把握し、根本・本質に辿り着くまで考え抜き、シンプルに改善・対応するようになりました。そして伝え方については、「これをすることにより、誰がどのようになるか、そして目的と一致しているのか」というように、目的や理念から逸脱しないことを心がけるようになりました。また、日本代協の会議の運営から学んだことを本業で活かし、複数の種目・明細にわたる契約等については、分かりやすく見やすい資料作り・見積り、伝え方、情報共有等の事前準備に工夫を凝らしたことで、無駄のないお客さま対応が可能となり、お客さまからも好評の声を多数いただけるようになりました。
  【代協活動に対する私の思い】としては、代協の役員の皆さまには本業の傍らで尚且つ無報酬で活動いただいており恐縮する思いで一杯です。そのご苦労は並大抵ではないことは十分に承知していますが、地域社会のため、同業者のために無報酬で活動していることが代協の信認度を高めている大きな要因だと思います。私は常々こうしたご苦労を苦労で終わらせるのではなく是非とも本業にも生かし事業成長に繋げてていただきたいと強く思っています。私が実感していることですが、代協役員になって「何が地域社会のため、会員のためになるか」を考えながら一所懸命に活動していると本業のヒントもたくさん見えてきますし、チャレンジを繰り返すことによって自ずと発想力・行動力が身につき本業のトレーニングにもなり、お客さまや社員への対応、地域社会との関わり方等に役立ちますし、ご自身もブラッシュアップすると思います。そうした会員が増え、代協活動も代理店事業も生き生きワクワクと輝いてほしいのです。そして誰もが周知する業界を代表する団体になってほしいのです。
  対外的に見れば日本代協も各代協も同じ「代協」ですから、引き続きベクトルを合わせて信認度を高めることに力を注いでいただきたく、お願い申し上げます。
  【ラストメッセージ】生意気な言い方になりますが、3つあります。
    @プロは情報に敏感であり、論理的であれ!
    A目利きの力(見極める力)を養え!
    B(固定・既成概念等から)枠の超え方を考えろ!
  最後になりますが、各代協のますますのご発展と皆さま方のご健勝を祈念しまして、通常総会のご挨拶とさせていただきます。

 この後の付議事項のご審議等、よろしくお願いします。
  6年間本当にありがとうございました。

以 上