平成28年度 日本代協臨時総会 岡部会長 挨拶


2017.3.3

1.はじめに
  皆さま、おはようございます。
  本日は臨時総会にご出席いただき、誠にありがとうございます。日頃は全国各地で代協活動を展開していただき、改めて御礼申し上げます。直近ではコンサルティングコースの受講勧奨について、各代協が目標を達成され、過去最高となる1,759名の方にお申込みいただきました。重ねてお礼申し上げます。

  さて、6年前の臨時総会の午後、有史以来最大規模の被害をもたらしたあの東日本大震災が発生しました。そして、昨年には地震リスクが低いと言われていた熊本県においても前例のない大きな地震が発生しました。ひと度、大地震が起こると街も経済基盤も一瞬にして壊滅し、悲しみとともに生活は一変しますが、日常を取り戻すには何年かかるか想像がつきません。「いつでも日本のどこでも地震は起きる」という前提の下に、先ずは自らの生活における防災対策、代理店経営におけるBCP策定と定期的な訓練実施等を行い、いざという時にしっかりとお客さま対応ができる体制を構築する必要があります。
  こうした大規模災害は、時に他人事で捉えたり、月日の経過とともに緊張感が薄れがちになりますが、広報委員会で作成したドキュメンタリー「二度と後悔はしたくない」の配信や損保協会主催の地震フォーラムで得た防災に関する知識等を活用し、お客さまへのリスク喚起、防災アドバイスとともに地震保険の付帯率アップを図り、地域社会に対してはリスクの専門家としてリスク啓発、防災・減災活動等に取り組み、地域社会に寄り添う会社として信頼度・認知度を高めていただきたいと考えます。


2.環境認識
  さて、日本経済全体は円安効果もあり、小幅ながら着実に回復していますが、地域経済は依然として上昇気流には乗っておらず、併せて地域経済を支える中小事業者の高齢化に伴う後継者不足が課題となっています。金融業界においては、人口減少に伴う構造問題やマイナス金利政策等の影響により、地方銀行をはじめとする金融機関は厳しい環境下にあり再編が加速しています。損保各社においては、自然災害に伴う保険金支払いの減少や自動車保険の損害率改善等により収益改善がすすんでいるものの、人口減少やデジタル革命の進展により、大きな変化を迎えようとしています。特に、主力の自動車保険においては、契約者が減少するとともに、自動ブレーキ等の安全装置搭載車の普及などにより今後は保険料自体も低減していくものと思われます。ご契約者にとっては望ましいことですが、代理店にとっては経営に直結する大きな課題になることは事実であり、自動車保険単品に過度に依存した契約構造の転換に向けて、今から手を打つ必要があります。また、生保営業職員によるお客さまグリップ力の強さが再認識されていること、銀行の保険販売強化、自動車販売事業者による保険を含めた車に関するバリューチェーン構築等、既存の募集チャネルが今まで以上に保険販売に力を注いていることに加えて、保険会社による異業種企業への積極的な販売網拡大等により、間違いなく保険販売をめぐる競争は激化するでしょう。さらには、AIやIoT等のデジタル革命の進展により、保険のあり方そのものが変わる可能性もありますから、私たち代理店もアンテナを高く張って変化を先取りしていく必要があります。
   一方で、長年の懸案事項でありました特別利益の提供に関して、先月、当局の見解を踏まえた解釈指針が示され、各社ルールの見直しが行われました。。詳細は割愛しますが、ここに至るまでには長年にわたる日本代協の公正な募集環境構築に向けた取組みが寄与しており、おまけや値引きに頼らない保険募集のプロの腕前を存分に発揮できる環境を整える一助になったと考えています。事務局の皆さんのご尽力にも感謝いたします。

3.顧客本位の業務運営に対する取り組み
 こうした環境の下、足元の改正保険業法については、昨年の10月から12月にかけて改正保険業法の施行後の代理店における対応状況等について、金融庁と財務局により全国約100店の代理店にヒアリングが行われ、取組事例が2月16日に公表されました。今回紹介された事例は各代理店のベスト・プラクティスですが、今直ぐに役立つ事例も多く、社内で共有し、できることから実践して段階的に自社のレベルを引き上げていくことがお客さま本位の取組みへの近道になるのだと思います。
   さらに1月に日本代協のアレンジのもと金融庁で行われた5代理店に対する追加ヒアリングの質問項目をみると、改正法対応を通り越して、経営理念の定着と実践人事評価制度、成長戦略、将来ビジョン等の経営品質のフレームワークに主眼をおいていることに驚きました。ヒアリングを受けた5代理店はいずれも顧客本位の経営理念に基づき、それぞれの代理店で理念実現のためのPDCAサイクルを回しており、こうした実態に直に触れたことにより、地方にはお客さま本位でより良い取組みをしている代理店もいる、と当局も認識を深め、森長官にも報告されたとのことです。
  改正法対応はミニマムスタンダードであり、大事なことは自ら主体的に創意工夫を発揮し、改善を重ねてお客さま本位の良質なサービスの提供を競い合うことです。より良い取組みを行う者だけがお客さまから選ばれていくメカニズムを実現する、というのが当局の狙いであり、「顧客本位の業務運営」の実践と継続こそが今後の生き残りの鍵だと思います。そのためには組織としての質の向上と仕組みの確立が不可欠であり、今後ますます代理店の強みを生かした再編が進むのではないかと考えています。

4.日本代協の主な取り組み
  こうして時代は新たなフェーズに入っていく訳ですが、日本代協としては、引き続き3つの取り組みを事業の柱に据えて活動を展開してまいります。
 1点目は、損害保険大学課程です。特に損害保険トータルプランナー資格は、「募集人資格の最高峰」であり、募集人教育には最も適した制度の一つです。皆さまの会社の社内規定に必須取得資格として組み入れ、改正法対応以上のベストプラクティスを目指していただきたいと思います。本制度で培った能力をお客様対応の場面で発揮しながら、業界の信頼を高めていきたいと考えます。
   2点目は、本業に通じる社会貢献活動です。損保協会や各保険会社とも連携しながら事故防止や防災・減災に資する活動等を展開し、地域社会におけるリスクアドバイザーとしてお役に立てるよう取り組みます。併せて、植林活動等を通して地球環境保護活動にも積極的に取り組みをすすめてまいります。
  3点目は、代理店賠責「日本代協新プラン」の周知と加入促進です。保険マーケットにおいて良質の競争が進む中でお客さまから選ばれ続けるためには高い次元の仕事が求められます。それ故に募集現場では緊張感に包まれるため、いつミスが起きないとも限りません。そうした万一の時のプロテクターの役割をするのがこの保険です。代理店にとって極めて重要な備えなのですが、残念ながらまだまだ周知されていません。本プランは日本代協の一番の会員サービスと言っても過言ではありません。セミナー開催や説明会を通して広く未加入代理店に声かけし、周知と加入拡大を図ってまいります。


5.特に強化したい取り組み
  引き続いて、日本代協内部の最大の組織課題である会員増強と国民年金基金の加入者募集について申し上げます。
   1点目の会員増強については、今さら言うまでもありませんが、業界団体として一定の基盤を確保することは極めて重要であることは、皆さまと共通の認識だと思います。2月のキャンペーンは思うような結果が出ませんでしたが、本年度の各代協の自主目標の合計は12,620会員です。残り1ヵ月弱となりましたが、先ずは各代協の自主目標を達成され、全体の目標達成につなげたいと思います。プロとしての志を高く持ち、消費者から信頼を得て、業界の信頼を高めたいと思う代理店はチャネルを問わず全国にたくさんおられると思います。そういう方たちを数多く会員に迎え入れ、より高いお客さまサービスができる代理店を目指す業界団体になりたいと考えますので、最後まで何卒よろしくお願いいたします。
   2点目の国民年金基金の加入者募集については、既に第7回理事会議事録でお伝えしていますが、ここで一言ご報告させていただきます。昨年5月に年金改正法が成立し、地域型基金と職能型基金の合併が可能になりました。、時期は未定ですがこれから全国47の地域型基金が合併し、全国基金が設立される見込みであり、ここに本会基金のような職能型の基金も合併できるようになります。これを受け、第7回理事会並びに損保代理業国民年金基金の第61回代議員会において、本会の基金も全国基金に全面合流することを決議しました。合併しても、加入者の掛け金や受給者の年金は維持され、不利になることは一切ありませんのでご安心ください。なお、今回の合併はいわば各基金の大同団結として行われるものであり、各基金が現在保有する資産を持ち寄る形で行うこととされています。従って、責任準備金の積み立て不足分の補充を設立母体である日本代協が求められることはありませんが、逆に言えば、これから合併までの数年間の加入者募集の取り組みが大変重要になるということになります。加入者募集の成果を求められることは勿論ですが、取り組みのプロセスも各基金から注視されています。そうした背景を踏まえ、円滑な合併を実現するために、引き続き、各代協でのお取組み強化をお願いいたします。
   三冠王達成については、現時点で達成した代協はありませんが、滋賀・富山・大阪・群馬・奈良・山梨・和歌山・青森・熊本・京都・徳島・香川・福岡の13代協が二冠を達成しています。すでにコンサルティングコースの受講者募集は各代協が目標達成されていますので、全ての代協に三冠王達成のチャンスがあります。残り1ヶ月のラストスパートを何卒よろしくお願いします。


6.おわりに
 話は変わりますが、前述の「顧客本位の業務運営」を取組むうえにおいて、社員の育成とお客さまに選ばれる仕組み作りが重要になりますが、社員の育成について少しお話しします。先ず、人の能力は人間性と生活習慣が基盤となり、そのうえに基礎学力と専門知識そしてこの2つを上手く活かすための社会人基礎力で構成されます。ご存知の方も多いでしょうが、この社会人基礎力とは経済産業省が定義づけて提唱しているものであり(経済産業省のHPに掲載)、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力と12の能力要素で成り立っています。12の能力要素とは、@主体性、A働きかけ、B実行力、C課題発見力、D計画力、E創造力、F発信力、G傾聴力、H柔軟性、I状況把握力、J規律性、Kストレスコントロール力となっていますが、、分かりやすく整理されており、社員の育成を論理的・効率的に考えるうえにおいて非常に役立ちます。例えば、この12の能力要素をチェックリスト化して、社員との定期的な対話に使ったり、人事考課項目に組み入れる等で可視化すれば、社員自身も振り返りの材料になり、成長がスピードアップします。
 社長の漠然とした感覚だけでは社員を育成することはできません。探せば方法はいろいろあります。皆さまがそれぞれに様々な育成方法にチャレンジし、意見交換を図りながら、顧客本位の業務運営に取り組んでいきたいと思っています。

   最後になりますが、各代協のますますのご発展と皆様方のご健勝を祈念しまして、臨時総会のご挨拶とさせていただきます。
  この後の付議事項のご審議等、よろしくお願いします。
  ありがとうございました。

以上