岡部会長 年頭のご挨拶(年頭所感)


2017.1.5





年   頭   所   感

会  長     岡  部  繁  樹


あけましておめでとうございます。
年頭に当たり、今年一年が平和で穏やかな年になりますよう祈念いたします。 

 1. 新年にあたっての思い
   昨年5月に施行された改正保険業法は、保険募集のあり方に大きな変革を求めるものとなりました。その目的は、契約者の意向をすべての起点に置き、契約者が理解し、納得し、確認して契約を締結する権利を確立するものであり、それができない募集人は退場、というメッセージとして受け止める必要があります。
   さらにこれは、法律の文言を形式的に守れば済むレベルではなく、高いハードルを求めていることに注意が必要です。平成28年度の金融行政の基軸は“フィデューシャリー・デューティー”、すなわち、組織全体が「真に顧客のために行動しているか」という実態を問うものであり、組織をどう機能させるのか、自ら考え、実行し、検証・改善を繰り返していく必要があります。「顧客本位」という理念の旗振り役を金融庁が務めている現状に対し、私たちは強い危機感を持って臨む必要があります。そして、改めて今、何よりも顧客の利益を重視する視点で仕事のやり方や会社経営のあり方を見直し、事業発展の基盤を造る必要があると思っています。

 2. 社会的存在としての代理店
   代理店のあり方を考えるとき、もう一つ大事な視点があります。それは「社会との調和」です。最近、過重労働などの厳しい労働実態が問題になっていますが、代理店が社会的責任を担う存在であるか否かをチェックする目は、金融庁だけにあるのではありません。他の行政機関やマスコミ、消費者団体等、多方面に存在します。企業経営において法の抜け道探しは通用しないことを認識し、規模の大小に関わらず、どこに出ても恥ずかしくない、社会と調和する会社をつくることが不可欠です。
   コンプライアンスやトランスペアレンシー、アカウンタビリティなど、横文字ばかりと愚痴っていても前には進みません。社会の要請を踏まえ、変化する社会に自らを変えて適合させていくことが何よりも重要な生き残りの条件になると考えます。

 3.デジタル時代の代理店
   さて、本格的な人口減少社会を迎える我が国では、国内市場も徐々に縮小を余儀なくされますが、保険業界に大きなインパクトを与えるもう一つの変化がデジタル革命の進展です。
   IoTやAIの進化によって、保険のあり方のみならず保険会社のあり方そのものが変わる可能性もあるわけですから、代理店としても変化を予測して先手を打つことが必要です。一方で、AIでの東大合格は断念したように、デジタルにはデジタルの限界もあります。その限界の先にあるのは何でしょうか。私は、「人に寄り添える力」の有無ではないかと思います。
   4月に熊本を襲った大地震は大きな被害をもたらしましたが、現地の代理店は自ら被災しながらも一人ひとりのお客さまのために必死になって活動し、保険金の早期お届けに貢献しました。こうした代理店の「人のために頑張る」行動は、東日本大震災の際も高く評価されましたが、地域に生きる代理店の存在価値は、デジタルでは届けられないこうした「人への熱を持った思いやり」にあるのだと思います。
   デジタルの進化で代理店のような存在は排除されるという人もいますが、私は、東日本大震災や熊本大地震で地域の人のために奔走した仲間の姿を範として、一人ひとりのお客さまを“On Your Side”の精神で支えていけば、どんな時代であってもお客さまの支持を失うことはないと思っています。

 4.不透明な時代を乗り越える
   現代は、不確実で不安定で複雑であいまいな時代と言われています。環境変化はこれからも絶えることなく私たちに変革を求めてきますが、大事なことは、変化は当然起こりうるものと理解し、目標シナリオを必要に応じ随時書き換え、未来の自分が最良の判断ができるように、今できることに最大限取り組むことだと思います。
  現状維持は後退と同じです。変えるべきは変える必要がありますが、その際大切なことは、代理店としての軸をぶらさないことだと思います。規模が小さいだけでは淘汰されてしまいますが、お客さま視点で自社の特色や強み、他との違いを明確にして強化し、「山椒は小粒でもピリリと辛い」軸を持った代理店になれば、地域オンリーワンの存在になることもできると思います。
   厳しい環境ですが、全国の仲間で切磋琢磨しながら、お客様に真に必要とされる代理店となり、活力溢れる業界を創り上げていきましょう!

以上