平成28年度 日本代協通常総会 岡部会長 挨拶

2016.6.14

1.はじめに
  皆さま、おはようございます。
  本日は通常総会にご出席いただき、誠にありがとうございます。日頃は全国各地で代協活動を展開していただき改めて御礼申し上げます。

   各代協におかれましては総会を終え、特に今年は改選期ということもあり、例年以上にフレッシュなスタートを切られていることと思います。常に消費者のため、地域社会のお役に立つ代理店になる、という理念の下に全国の代協と一体となって取り組みをすすめてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

   冒頭に、熊本地震において被災された方々にご冥福をお祈りするとともに被災された皆さまにお見舞い申し上げます。12日夜にも震度5弱の余震が起こりましたが、我が国の地震観測史上、内陸型地震における前震、本震、かつ一連の地震活動において震度7が2回観測されるのは初めてのケースであり、それゆえに被害が甚大であることは皆さまもご存知のとおりです。
   幸いなことに熊本、大分両県の代協会員様の生命に関する被害はありませんでしたが、ご自宅や事務所が大きな被害にあい、日常生活もできない状況にありながらも、地震保険の保険金請求手続きに奔走されておられる会員様が多数おられます。地震保険の支払い件数、金額については、6月6日現在で、約17万件、約2,724億円と東日本大震災に次いで史上2番目の規模となりましたが、全国的にも世帯数における加入率、火災保険における付帯率はまだまだ低いのが現状であり、これから日本のどこでも起こりうる地震に対応するために。今以上に地震保険の普及促進が重要だと強く感じています。
   併せて、日々の事業活動においてお客さまと面談する際には、防災・減災等に関するチラシをお渡しする等により、くらしの安心・安全に役立つ情報提供を継続的に行うことが重要だと考えます。
   一人ひとりのお客さまに、今そこにある危機を認識してもらい、事故や災害を未然に防ぎ、被害にあった時には最小限にとどめるために、「本業+ほんの少しの情報上乗せ活動」を地道に展開することが社会貢献そのものにつながります。そして、代理店が、地域社会においてリスクの専門家として関わることができれば、その存在価値は大きく高まることになるのではないでしょうか。

   もう一方で、代理店のBCPが思うように進んでいなことを保険会社の方からもお聞きしています。日本代協としては、平成26年にBCPの導入編をまとめて新日本新聞社を通して発刊していますが、実践している会員様はまだまだ少ないと思いますので、危機意識をもって今直ぐにでもお取組みいただくとともに、中小企業のお客さまにも情報提供いただきたいと思います。

   さて、熊本地方の地震で被災された会員様に対し、私たちのできることは限られていますが、全国で義援金を募っていただきました。この場をおかりして厚く御礼を申し上げます。皆さまからお預かりした義援金は午後の全国会長懇談会の席上で井上会長にお渡し、併せて、井上会長からは現地の状況と代理店のお取組みについてお話をいただく予定でいますので、よろしくお願いします。



 2.環境認識
  さて、改正保険業法が施行され2週間が過ぎました。緊張感をもってお客さま対応しているせいか、今までよりも説明は丁寧になり、契約手続きはお客さまに繰り返し確認を行い、社内会議や勉強会では社員が身を乗り出すほどに真剣味が増し、この業界に身を投じた時と同様の思いをもって自らを戒めています。

   今回の法改正において特徴的と言えることは、適正な比較説明・推奨販売、経営・募集両面の内部監査等の態勢整備、問題点の改善に向けた取り組みです。乗合代理店における比較・推奨販売については、代理店個社の将来像に大きく影響するとともに、後述しますがマーケットは今以上にレッドオーシャンになると見ています。改善については、自らの課題を自ら洗い出すとともにお客さまの声を正面から受け止め、改善するチェックとアクトの部分になりますから、検証・改善を繰り返し、きめ細かなお客さま対応を実践し、徐々に業務のレベルを引き上げていくことが重要だと考えています。

   法改正により募集環境の整備がすすむ中、順応できず退場する代理店もでてくる一方で、前述の比較・推奨販売を強みにして既存代理店が大型化を図ったり、保険会社と保険ショップが連携したり、ニトリやNTTドコモ等のような異業種から保険販売事業へ参入するケースが増えてきます。異業種からすると保険販売事業は、手数料収入以外に特に生保においては、お客様と一生涯のお取引ができることで本業の持続的成長につながるからです。また、人口減少、高齢者増、自動車の自動運転、AI、IoT等の影響は、代理店の将来展望に大きく関わる問題であり、皆さまの会社の若手社員の方にしてみると非常に重要な取り組み課題となります。こうしてかつてない大競争時代に入り、急激に社会環境の変化が起こりますから、地域密着型の代理店としても、これまでのビジネスモデルの変革が必要になります。そのことを強く認識して私たち代理店は変わっていくことが必要だと思います。そのためには、自らの強みや独自の能力を磨き、地域ブランドを高めて、消費者に選択されるオンリーワンの企業を目指していくことが大事だと考えます。その結果として、温かさを保った生産性向上を実現していくことが求められていると思います。



 3.日本代協の主な取り組み
  こうした募集環境、社会環境の変化がすすむ中において日本代協の役割はますます重要になります。常に消費者のためという基軸の下に、引き続き3つの取り組みを事業の柱に据えて活動を展開してまいります。

   1点目は、損害保険大学課程の展開です。損保協会様が認定主体となり、日本代協が指定教育機関として運営する損保業界共通の募集人教育制度である本課程の、特に損害保険トータルプランナー資格は、「募集人資格の最高峰」であり、募集人教育には最も適した制度です。改正保険業法でも代理店内の教育が強く問われますが、法が求める以前に、主体的に皆さまの会社の社内規則の中に必須取得資格として組み入れていただき、代理店全体の業務レベルを引き上げていただきたいと思います。そして、本制度で培った能力をお客様対応の場面で発揮しながら、業界の信頼を高めたていきたいと考えます。

   2点目は、社会貢献活動です。代協組織としては損保協会様とも連携しながら事故防止や防災・減災に資する活動等を展開し、地域社会におけるリスクアドバイザーとしてお役に立てるよう取り組みます。併せて、清掃や植林活動等を通して地球環境保護活動にも積極的に取り組みをすすめてまいります。

   3点目は、代理店賠責「日本代協新プラン」の周知と加入促進です。保険マーケットにおいて競争が進めば進むほどお客様の満足を得るには高い次元の仕事が求められます。例えて言うならば、氷山の尾根を歩くような緊張感が必要な仕事ですが、万が一、尾根から落ちた時のプロテクターの役割をするのがこの保険です。代理店にとって極めて重要な備えなのですが、残念ながらまだまだ周知されていない現状があります。本プランは日本代協の一番の会員サービスと言っても過言ではありません。セミナー開催や説明会を通して広く未加入代理店に声かけし、周知と加入拡大を図ってまいりますのでご協力をよろしくお願いします。



 4.特に強化したい取り組み
  引き続いて、日本代協内部の最大の組織課題である会員増強と国民年金基金について申し上げます。
   その前に、一昨年度から新設しました「三冠王表彰制度」において、京都、奈良、山梨、長崎、熊本の5代協様は、2年連続達成され全国をけん引いただきました。午後の会長懇談会の席上で表彰させていただきますが、改めて、厚く御礼申し上げます。お蔭様で、9年ぶりに12,000会員に復帰することができました。

   話を戻しますが、会員増強については今さら言うまでもありませんが、業界団体として一定の基盤を確保することは極めて重要であることは、皆さまと共通の認識だと思います。改正保険業法の下においては、販売チャネルが異なっても「保険のプロ」にならなければ消費者から選ばれません。プロとして志を高く持ち、消費者から信頼を得て、業界の信頼を高めたいと思う方たちを数多く会員に迎え入れ、より高いお客様サービスができる代理店を目指す団体になりたいと考えますので、全代協で力を合せて取り組みを進めていきましょう。

   2点目の国民年金基金については、環境変化の中で厳しい状況が続いています。我が国の国民年金加入者にとって最も優れた年金制度であることはご承知のとおりです。この業界で働く全ての人たちが豊かな老後を楽しめるために、是非、周囲の該当者の方に制度の魅力をお伝えいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。



 5.おわりに
    話は変わりますが、私たちの隣接業界でこんな会社があります。社員133名、トヨタ系カーディーラーのお客様満足度調査第1位が13回、ショールームへの来場者数は年間約12万人(1日あたり400人、といってもショールームには一台も車はありません)、日本経営品質賞受賞、ホワイト企業賞受賞…等、あげればきりがありません。その会社はネッツトヨタ南国株式会社です。日本代協講師の望月様のお話では必ず名前が出てくる会社です。私は数年前から自身の会社をネッツ南国のような会社にしたいと思い、経営品質向上に取り組んでいます。
   そんな矢先に高知県代協から総会後のセミナー講師のオファーをいただき、役員様のお世話の下でネッツ南国に訪問することができました。店内視察の後、1時間以上にわたり直接創業者から経験談やエッセンス等をお聞きし、貴重な書籍や資料までいただきました。カフェスタイルの店内、お客さまとの接し方、社員の方の笑顔、社員専用の保育所、思いやりを感じさせる空気感…等、どれをとってもお客さま本位、社員重視を本気で実践しておられ、私のベンチマークになりました。百聞は一見にしかず、です。現地に行き、目で見て、肌で感じて、直接話を聞くことの大切さを改めて実感した次第です。
   どうせ働くならやりがいのある会社で楽しく働き、幸せになりたいと思うのは、社長も社員も同じです。そのために皆さまも社員全員でベンチマークを目的とした研修旅行をされてはどうでしょうか!

   最後になりますが、各代協のますますのご発展と皆様方のご健勝を祈念し、また日本代協の活動により一層のご理解とご支援をお願い申し上げまして、通常総会のご挨拶とさせていただきます。

   この後の付議事項のご審議等、よろしくお願いします。
   ありがとうございました。

以 上