年頭所感    会長 岡部 繁樹 

2016.1.4

年 頭 所 感

              会長  岡部 繁樹

  あけましておめでとうございます。
今年一年が皆さまにとって幸せな年になりますよう祈念いたします。

1.本年の課題
   本年5月からいよいよ新しい保険募集ルールが適用されます。募集プロセスの各段階において、積極的、かつ、きめ細かなお客様対応が求められ、同時に、それを組織として確実に実行できるよう、代理店経営のステージアップが求められることになります。募集人一人ひとりの品質向上と組織としての代理店の自律が強く求められる環境になるわけです。
   改正の背景には、我が国の保険募集においては、丁寧な説明を受けてしっかりと理解し、納得して契約するというお客様の権利が疎かにされてきたのではないか、という問題意識があります。従って、ここで改革の精神が活かされなければ、個々の代理店はおろか、損保募集の主体である代理店というチャネル自体が、消費者から見放されることにもなりかねません。もはや中途半端なお客さま対応は通用しないのです。我々は、この点を強く認識し、自らを、そして自らの組織を変えていく必要があります。
 
2.ミニマムを超える価値
   とはいえ、法的なルールはミニマムであり、それを守ればビジネスが成功するわけではありません。保険募集のプロとしては、ミニマムを押さえた上で、自社の経営品質を更に高め、より高い次元のお客様満足を追求することが必要です。
   そのために必要な募集人の資質の面では、業界最高峰の募集人資格認定である「損害保険トータルプランナー」を取得せずしてプロを名乗ることはできないと思います。現在、来年度の受講者を募集しておりますので、是非ともチャレンジ願います。
   厳しい環境ではありますが、強い思いがあれば、ピンチはチャンスに変わります。個人・法人を問わず、お客様を取り巻くリスクの総体にプロとしての専門性を発揮してしっかりと迫り、リスクに見合う提案を行って信頼を積み上げていくことが必要です。お客様視点の「リスクベースのアプローチ能力」を磨き、意向把握の先にある助言能力を発揮していくことが、プロ代理店の競争力の一つになるのではないかと考えています。
 
 
3.結果を出せる組織をつくる
   さて、昨年のコンベンションでは、サッカー日本代表元監督の岡田武史様に、「チームマネジメント」のお話しを伺いました。腹の座った勝負師というだけではなく、会社経営においても緻密なマネジメントを実践しておられ、全身に宿るパワーの強さと奥深さを改めて認識した次第です。講演の中で、結果を出せる組織作りのベースとなる「チーム哲学」を披露されましたが、代理店経営の参考になると思いますので、ご紹介いたします。
@Enjoy 自分の責任でリスクを負った上で楽しむ
AOur Team 一人ひとりのチームであり、自分で何とかする
BDo Your Best チームが勝つために自分のベストを尽くす
CConcentration 先のことを悩まず、今できることに集中する
DImprove 常に前を向いて進む
ECommunication 相手の存在を認め、見ていることを伝える 
   結果を出すことに拘った指導者の哲学は、研ぎ澄まされた無心さがありました。私たちは口癖のように「厳しい」といいますが、とことんまで考えぬき、揺るぎない行動につなげているかと問われれば、まだまだ甘いと感じた次第であり、気を引き締め直して、変化に臨みたいと思います。

4.「一身独立して一国独立す」
   話は変わりますが、昨年10月、慶應義塾大学で開催されていた「福澤諭吉と日本の保険業」展を見にいきました。諭吉は米国で購入したこどもの乳母車に海上保険契約を付保しましたが、これが日本人として最初の保険契約だったそうです。保険という仕組みが国民に信用されて初めて、保険商品が普及していくわけですが、それがここから始まり、今の私たちに繋がっていると思うと、感慨深いものがありました。
   その諭吉は、西洋人の脅威には「一身独立して一国独立する」気構えが必要だと言っています。私たちの状況に置き換えると、押し寄せる荒波を乗り越えていくためには、他人に頼らず、自らが自立して仕事に励むことが何よりも大事であり、それが結果として組織の力を強くしていくのだ、ということだと思います。正に私たちに対して「自立」と「自律」の精神の発揮を求めるものであり、環境が大きく変わる今こそ、私たち代理店はこの精神を腹に落とし込み、適度な緊張感を持って、人材の質と組織の質をより一層高めていく努力を続ける必要があると思います。日本代協としては、こうした認識の下で、本年度も代理店の資質向上を支援してまいります。
   今年一年、どうぞよろしくお願いいたします。

以上